アンプラグドプログラミング実践例10選|低学年からできる非デジタル教材

「アンプラグドプログラミングって何?」「低学年の子どもにもできるの?」

そんな声に応えるために、本記事ではパソコンもタブレットも使わない“非デジタル”なプログラミング学習=アンプラグドプログラミングを徹底解説します。

家庭でも学校でも導入しやすく、論理的思考や順序立てる力を自然と育めると話題のこの学び方。

低学年のアンプラグドプログラミング

特に小学校低学年や未就学児にとっては、画面に触れる前に“考える力”を育む絶好のステップです。

この記事では、

  • 教育現場でも使われている定番教材

  • 実際に授業で使える10個の実践例

  • 指導案のヒントや無料教材の入手先
    まで、親子でも先生でもすぐに使えるネタを厳選して紹介します。

この記事の4つのポイント
  • 📌アンプラグドプログラミングとは何かを初心者向けに解説
  • 📌小学校低学年でもできる実践例10選を紹介
  • 📌文科省の指導要領や導入事例にも触れて解説
  • 📌無料で使える教材サイト・PDFも紹介

 

アンプラグドプログラミングとは?|低学年でも学べる理由と教材の選び方

アンプラグドプログラミングとは?教育現場で注目される理由

アンプラグドプログラミングとは、コンピューターを使わずに、カードや体を動かすゲームなどで「プログラミング的思考」を学ぶ方法です。

特に低学年の子どもにとっては、直感的にルールや順序を理解できる仕組みが多く、教育現場で注目されています。

文部科学省の新学習指導要領(令和元年改訂)では、「情報活用能力」がこれからの学びの基盤となる資質・能力として明記されており、論理的思考の育成が求められています。

🔗【出典】新学習指導要領のポイント|文部科学省PDF

こうした政策背景から、アンプラグド教材が注目されている理由は以下の通りです。

📌 アンプラグドプログラミングが注目される3つの背景

背景 内容
1. 小学校での必修化 2020年度から「プログラミング教育」が正式に導入され、論理的思考力の育成が必須に
2. ICT環境の格差 すべての学校に同じ端末環境がないため、デバイス不要の教材が重宝されている
3. 非認知能力の育成 試行錯誤・話し合い・チーム活動を通じて、協働的な問題解決力を養える

🧠 アンプラグド教材で育てる「情報活用能力」

文部科学省が掲げる「情報活用能力」は、以下のような要素を含んでいます。

  • 手順を立てて物事を進める力

  • 必要な情報を整理・活用する力

  • 原因と結果の関係を予測する力

これらはまさにプログラミングの基礎そのものであり、アンプラグド教材を通じて“楽しみながら”自然に伸ばすことができます。

🔗【出典】学習指導要領解説 総則編(P.10)|文部科学省PDF

小学校低学年でもできる理由【3つの特長】

小学校低学年でもアンプラグドプログラミングが取り入れやすいのは、年齢や学力に関係なく“身近な題材”と“体験”で学べるからです。

難しいコードや計算式は一切不要。

以下のような特長があるため、初めてでも安心してスタートできます。

📌 低学年からでもできる!アンプラグド教材の3つの特長

特長 内容
1. 道順・順序を使った理解が中心 「あいうえお順に並べる」「右→左→下に進む」など、生活の中にあるルールでプログラミング的思考を育てます。
2. 身近な題材で取り組みやすい お菓子の仕分けや、動物のカードを並べるなど、子どもが親しみやすいテーマで楽しく学べます。
3. 体を動かして学べる活動が多い 実際に歩く・並べる・ジャンプするなど、ゲーム感覚で進められるので飽きずに集中できます。

これらの特長により、読み書きにまだ不安がある子どもでも、遊び感覚で自然と「順番」「ルール」「論理」に触れることができます。

まさに、“学びの第一歩”に最適な教材といえるでしょう。

教材の種類と選び方|カード・ドリル・ゲーム形式など

アンプラグドプログラミングの教材にはさまざまなタイプがあります。

アンプラグドプログラミングの教材

選び方のポイントは「子どもの発達段階」や「学習環境」に合っているかどうか。

低学年向けには、視覚的で操作がシンプルな教材が特に効果的です。

📚 主な教材の種類と特徴

教材タイプ 特徴とおすすめの使い方
カード教材 命令カードや道順カードなど。指示に従って順序通りに並べることで、アルゴリズムの基礎を学べる。
ワークブック・ドリル形式 線でつなぐ・順番に番号をふるなど、紙と鉛筆で完結。個別学習や家庭用にも向いている。
ゲーム・ボード教材 サイコロやマスを使って進む形式で、集団活動や授業に最適。条件分岐やルール設計が自然と身につく。
実物教材・キット型 おもちゃやフィジカル教材と連携。体を動かしながら学ぶので、特に低学年に人気。
ダウンロード教材 無料で印刷して使える教材が豊富(※後述のH3-15で紹介)。手軽でコストがかからないのがメリット。

🧩 選び方のヒント

  • 個人で使うなら:ワークブック・カード教材が扱いやすく、保管もしやすい。

  • グループ活動なら:ゲーム教材や実物教材で“協力”や“試行錯誤”の楽しさを体験。

  • 家庭学習で取り入れるなら:無料のダウンロード教材を活用すれば準備も簡単です。

アンプラグドプログラミング教材はどこで手に入る?

アンプラグドプログラミング教材は、市販品から無料ダウンロード素材まで多岐にわたります。

購入先や入手方法の違いによって、教材の質や活用しやすさにも差が出るため、目的に応じた選択が大切です。

🛍️ 教材の入手先と特徴比較表

入手先 特徴 代表例
文部科学省の教材 教育現場向けに無料提供。カリキュラムと連動しており、信頼性が高い。 小学校プログラミング教育ポータル
無料ダウンロード教材サイト 印刷してすぐに使える。個人利用や家庭学習に最適。 情報処理学会「情報教育教材」など
市販の書籍・キット 解説や指導例も豊富。ワークブック付きなどで保護者・教員に人気。 『アンプラグド・プログラミング授業実践集』など
民間教材サービス 有料ながら構成が丁寧。ワークショップ付きや動画教材を含むケースも。 LITALICO、アーテック など

📎 教材選びの視点は3つ

  1. 導入のしやすさ
    印刷するだけの教材か、準備物が多いかで難易度が変わります。

  2. 目的との一致
    授業向け/家庭用/自由研究など、使用シーンに合う教材を。

  3. 継続性
    単発で終わらないよう、学びを積み上げやすいシリーズ教材も◎。

文部科学省提供の教材は特に公教育との整合性が取れており、授業や学童での導入を検討している方には最適な選択肢です。

家庭での取り入れ方|遊びと学びをどう両立させるか?

アンプラグドプログラミングは、特別な機材がなくても始められる点が魅力です。

家庭でも「遊び感覚」で導入しやすく、自然と論理的思考が身につくアプローチが可能です。

🏠 家庭での取り入れ方3ステップ

ステップ 内容 具体例
① 興味を引く遊びから始める お絵かきや迷路など、身近なアクティビティで導入 例:ぬりえ迷路 →「上に進む」などの指示をプログラムに見立てる
② プチ教材を使って習慣化 5〜10分の簡単ワークを日常に取り入れる 市販のドリルや無料のPDF教材を印刷して使用
③ 日常会話に“プログラミング的思考”を取り入れる 手順を整理したり、条件を考えたりする場面で対話する 例:「どの順番で片付ける?」→順序を自分で考えさせる

🧩 「おうちプログラミング」のヒント

  • ごっこ遊びやカードゲームに“命令”“順番”“条件”の要素を入れる

  • 手作り教材(色紙・ブロック・付箋など)でコストをかけず実践

  • 終わったら「なぜこうなったか」を振り返る時間を作る

家庭では、“正解を出す”ことよりも“考えるプロセスを楽しむ”ことが重要です。

ぬり絵迷路で遊ぶ親子

親子で一緒に試行錯誤することで、自然とコミュニケーションも深まります。

小学校の授業での取り組み事例【指導案付き】

アンプラグドプログラミングは、多くの小学校で実際に授業に取り入れられています。

「プログラミング的思考」を育てる教材として、文部科学省の学習指導要領にも位置づけられています。

実際の授業では、以下のようなシナリオに沿って展開されることが多く、ICTが未整備な学校でも取り組みやすい構成になっています。

📘 授業の一例:順番・条件を学ぶ「ロボットになろう」プログラム(2年生)

授業構成 内容
導入(5分) 教師が「ロボット役」となり、子どもたちが“命令”を出す
展開(15分) グループで「命令カード」を使って、ロボットをゴールまで動かす
振り返り(10分) 「なぜ失敗した?どうすればうまくいく?」を話し合い、論理的に修正する

📎 使用教材例:命令カード(進む/曲がる/止まる など)、ゴールマップ
📎 活用資料:文部科学省「小学校プログラミング教育の手引(第三版)

🧑‍🏫 先生の工夫ポイント

  • 教科横断型で導入(例:算数「順序」や国語「指示語」などと連携)

  • グループ活動にすることで、協働的な問題解決力も育成

  • ICTが使えない場合でも、紙教材や体を動かすワークで代替可能

このようにアンプラグド教材は、教科・環境を問わず幅広く活用可能です。

「考える楽しさ」や「チームで動かす面白さ」を実感できる工夫が、子どもたちの学びを深めています。

今すぐ使える!アンプラグドプログラミング実践例10選

順番・命令を学ぶ「フローチャートゲーム」

低学年の子どもたちにとって、「順番通りに物事を進める力」はプログラミングの第一歩です。

その基本を体感できるのが、シンプルなルールで遊べる「フローチャートゲーム」です。

🧩 ゲームの概要
カードや紙に描かれた図形・矢印をもとに、「どの順番で進むか」を自分で考えて命令を出していくアクティビティです。

項目 内容
対象学年 小学1〜2年生向け
教材 矢印カード、番号付きブロック、ゴールマップなど
学習内容 「上→右→下」などの順序理解、命令の組み立て、実行と修正

🧠 学べること

  • 命令は順番が大切だと体験を通じて理解できる

  • 友達と協力しながら論理的に考える力が養われる

  • 「自分の出した命令どおりに動かす」ことで主体的な学びが生まれる

💡 指導のポイント

  • フローチャート(流れ図)に慣れるため、最初は紙芝居的に視覚的に見せると効果的

  • ゲーム形式にすると、遊び感覚で自然にプログラミング的思考が身につく

  • 実行後の振り返りで「どこを間違えたか」「なぜそうなったか」を共有する時間を確保する

この活動は、子どもたちにとって「考えることが楽しい」と感じられるきっかけになります。

特別なICT機器は不要で、学校や家庭でもすぐに実践可能な取り組みです。

条件分岐を体感する「宝探しロジックゲーム」

「もし〇〇だったら〜する」という“条件分岐”は、プログラミングにおける重要な考え方のひとつ。

この思考を体感できるのが、遊びの中で論理的に選択をして進める「宝探しロジックゲーム」です。

🗺️ ゲームの概要

地図や迷路上に複数の選択肢(「右に進む」「左に戻る」など)を用意し、子どもたちは条件に応じて“正しい道”を選びながらゴール(宝)を目指します。

項目 内容
対象学年 小学1〜3年生
教材 迷路マップ、指示カード、条件カード(例:「もしAなら→右へ」)
学習内容 「if~then」の考え方、選択と結果の関係性、情報の整理力

🎯 学べること

  • 条件に応じた動作を選択する「分岐ロジック」の理解

  • 選択の理由を説明する力

  • ゴールにたどり着くまでの“思考のルート”を見える化するスキル

宝探しロジックゲーム

💡 指導のポイント

  • 条件を明確に言葉で伝えることからスタート(例:「赤のマスなら右に進む」)

  • チーム対抗で「どちらが先にゴールにたどり着くか」などの工夫を加えると盛り上がる

  • 間違えたルートも振り返り材料にし、「なぜ違ったのか」を言語化させる

このような条件分岐の体験は、単に“正解を当てる”のではなく、“なぜそう判断したのか”を考える力を養う上で非常に効果的です。

繰り返し処理を学ぶ「ロボットの道順カード」

プログラミングの基本要素である「繰り返し(ループ)」の考え方を、低学年にもわかりやすく伝えるには、“ロボットに道順を教える”という活動が効果的です。

📘 活動の概要

  • 子どもたちは「ロボット役」に道順カードを使って命令を出します

  • 同じ動作が続く場面で「くりかえしカード(例:同じ動きを3回)」を使って効率化する

  • ゴールまで最短でたどり着くには、どの動きが“繰り返し”にできるかを考える

📎 使用する教材

  • 「進む」「曲がる」「止まる」などの道順カード

  • 「くりかえし○回」カード(数字付き)

  • マス目状のゴールマップ

🧠 ここで育まれる力

  • 繰り返しの最適化(無駄を減らす発想)

  • 指示の簡略化と論理的整理力

  • 複数の命令を組み合わせる構造的な思考

🧑‍🏫 実践のコツ

  • まずはカードを全部並べる→次に“まとめられそう”な動きを探す段階を踏む

  • 「くりかえしを使うとどうなる?」と問いかけて、自ら気づく場面を作る

  • 実際に“動いて確かめる”工程を挟むことで、より理解が深まる

デバッグ体験ができる「間違い探しプログラム」

プログラムは一度でうまくいくとは限りません。だからこそ「デバッグ(バグ取り)」の考え方は、プログラミング的思考を育てるうえで欠かせません。

低学年でも体験できる形として、「間違い探し」の要素を取り入れたアンプラグド教材が効果的です。

📘 活動の概要

  • あらかじめ“間違った命令の並び”が書かれたロボットの指示書を配布

  • 子どもたちはロボット役になってそのとおりに動くが、うまくゴールできない

  • なぜ間違ったのか、どこが間違いかをチームで話し合って修正する

📎 使用教材例

  • 誤った命令カードを並べたワークシート

  • 正解パターンとの比較用ゴールマップ

  • 修正記入用の新しい命令カードセット

🧠 鍛えられる力

  • 手順の見直し・改善(デバッグ思考)

  • 原因と結果を結びつけて考える力

  • 論理的な説明力(なぜ失敗したかを伝える)

🧑‍🏫 実践のポイント

  • “わざと間違える”工程に抵抗がないように、「先生も間違えた」などユーモアを入れる

  • 解決できたときには拍手や共有タイムを設けて達成感を高める

  • 発表では「どこをどう直したか」を言語化させることで、理解の定着を促進

折り紙を使った“アルゴリズム”学習

「アルゴリズム」という言葉を聞くと難しく感じますが、日常生活の中にもたくさんのアルゴリズムがあります。

その代表例が「折り紙」です。

決まった手順で折り進めていくことで、同じ形が必ず完成する——これはまさに、プログラムと同じ構造です。

📘 活動の概要

  • 「ハート」「カエル」「飛行機」など、簡単な折り紙の折り方をステップに分けて配布

  • 子どもたちはその手順に沿って折り進め、完成形を目指す

  • 手順を一部省略・順番を変えた折り方を実験し、「なぜうまくいかなかったか」を検証

折り紙でハートを作る子供

📎 使用教材例

  • 手順ごとの折り紙マニュアル(ステップ図解)

  • 完成品の見本(教師があらかじめ作成)

  • 一部の手順が欠けた“不完全なアルゴリズム”プリント(応用用)

🧠 鍛えられる力

  • 正確な手順を読み取る力

  • 順序の重要性の理解(先に折る・後で折る)

  • 失敗と修正を通じた論理的な気づき

🧑‍🏫 実践のポイント

  • 1ステップずつ全員で進め、失敗例もあえて取り入れる

  • 「同じ完成形でも違う手順があるか?」など多様性にも目を向ける

  • 折り方を“説明する”活動に発展させると、言語化力も伸ばせる

このように、折り紙は“楽しく・深く・応用可能”なアンプラグド教材として、非常に優れた素材です。

「アンプラグド」から「Viscuit」への橋渡し教材

アンプラグドプログラミングで「順番」「条件」「繰り返し」などの考え方を身につけた子どもたちは、次のステップとして画面を使ったビジュアルプログラミングへと進む準備が整っています。

その代表例が、小学校でも導入が進んでいるViscuit(ビスケット)です。

📎 Viscuitとは?

  • プログラミング言語を使わず、「絵」と「動き」で仕組みを作る

  • 小学校1~3年生向けの入門ツールとして人気

  • マウス操作のみでOK、タイピング不要

💡 橋渡し教材のポイント

アンプラグド活動例 それが活きるViscuitの使い方
命令カードで順番に動かす キャラクターの動きを“メガネ”で制御する
条件が変わると結果が変わる 条件付きのアニメーションを作成する
グループで話し合いながら組み立てる 作品を共有して他の人の動きを試す

🧠 なぜ橋渡しが大切か?

Viscuitなどのツールは、「画面がある=難しい」と感じさせることもあります。

ですが、アンプラグド教材で身につけた考え方の土台があれば、スムーズに移行できます。

たとえば「ロボットを進ませる」活動を終えたあとに、Viscuitで自分の描いたキャラを動かすワークへとつなげると、「あっ、やってることは同じだ!」と実感しやすくなります。

📘 活用の例:紙→画面のシームレス移行

  • 紙の「命令カード」をViscuitの「メガネ」に置き換える

  • 折り紙で作ったキャラクターをViscuitで描いて動かす

このように、「アンプラグド→Viscuit」という段階的アプローチを取ることで、無理なくプログラミング教育を深化させることが可能です。

小学校低学年でも、楽しく直感的に「論理的な表現」を学べる最適なルートです。

実践時に気をつけたい“つまずきポイント”3選

アンプラグドプログラミングは端末不要で導入しやすい一方、実践時に子どもがつまずきやすいポイントもあります。

あらかじめ意識しておくことで、スムーズな授業運営や家庭学習が可能になります。

🔍 つまずきポイント①:命令が“あいまい”になる

子どもたちは「まっすぐ行く」「ちょっと右」など、主観的な表現を使いがちです。これでは正確なプログラムにはなりません。

解決策:

  • 「1マス進む」「90度右に曲がる」など明確な単位で命令するように指導

  • 命令カードを用意して、ルール化するのが効果的

🔍 つまずきポイント②:「なぜ失敗したのか」が分からない

結果がうまくいかなくても、その理由が見えず、ただ「なんで?」と戸惑う子が多いです。

解決策:

  • 一度命令を声に出して確認させる

  • 「どこで止まった?」「命令と違った動きは?」と振り返りの時間を設ける

🔍 つまずきポイント③:チームでの役割分担が曖昧

グループ活動では、進行役・命令役・記録係などの役割があいまいなまま始まると、全体がうまく回らないことも。

解決策:

  • あらかじめ役割カードを用意して明示

  • ローテーションで交代し、全員が体験できる仕組みを

このような「つまずきポイント」は、考え方の癖づけや活動設計の工夫で回避できます。

子どもたちが「うまくいかない」体験を「考えるきっかけ」として受け止められるよう、ポジティブな声かけも重要です。

アンプラグドプログラミングの効果はある?【保護者の声】

「端末も使わずに本当に意味があるの?」「遊んでいるだけに見えるけど…」
――そんな疑問を持つ保護者の声も少なくありません。

ですが実際に取り入れている家庭からは、目に見える変化や成長を実感する声が多く寄せられています。

📣 保護者の声①:思考力が目に見えて伸びた

「以前は“どうしてこうなったの?”と聞いても黙っていたのに、最近は“ここをこうしたから失敗した”と説明してくれるようになりました。」

アンプラグド教材では、“なぜうまくいかないか”を試行錯誤しながら考える機会が多く、論理的思考の土台を自然に身につけていきます。

📣 保護者の声②:遊びながら協調性が育った

「兄妹で命令カードを出し合ってロボット役を動かすゲームに夢中。遊びながら“話し合い”の力が育っている感じがします。」

グループ活動や親子ワークでは、順番・役割・合意形成といった社会的スキルも同時に育まれます。

📣 保護者の声③:デジタルに抵抗がある家庭でも安心だった

「うちはタブレットにまだ抵抗があるので、カードや紙教材だけでできるのはありがたいです。」

パソコンやタブレットを使わずとも、“プログラミング的思考”の基礎は十分に育てられるのがアンプラグドの強みです。

アンプラグドプログラミングは、単なる“遊び”ではありません。

子どもの思考力・協働力・表現力を育てる教育的価値があり、家庭でも気軽に取り入れられる点が、多くの保護者に支持されている理由です。

無料で使える教材サイト&PDFダウンロード集【リンクつき】

アンプラグドプログラミングを家庭や授業で始めるなら、まずは無料で使える教材から試すのが安心です。

以下は実際に教育現場でも活用されている、信頼性の高い教材サイトとPDF素材です。

📎 放課後NPOアフタースクール:「プログラミングの旅」教材
小学生向け授業一式(台本・スライド・ワークシート)を全て無料でダウンロード可能です。
👉 プログラミングの旅教材ダウンロードページ

📎 情報教育関連サイト(例:三重県I&Gスクール)
「黒板スタンプ」や「すごろく」など、アンプラグド授業向け教材を公開。こちらも無料で印刷して利用可能です。
👉 三重県立情報教育サポートセンター教材集

📎 文部科学省:小学校プログラミング教育に関する研修教材
「小学校プログラミング教育の手引」等に付属するPDF教材や動画資料を公式サイトで閲覧・ダウンロード可能です。
👉 関連研修教材ページ https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1416408.htm

📎 情報処理学会:小学校向けアンプラグド教材
専門家が開発した教材をPDF形式で提供。特に「順序」「繰り返し」「条件分岐」など、プログラミング的思考の基本に対応した教材が揃っています。
👉 https://www.ipsj.or.jp/event/taikai/83/ipsj_web2021/data/pdf/5ZG-07.html

📎 Viscuit(ビスケット)公式サイト|橋渡し教材も掲載
アンプラグドからビジュアルプログラミングへのステップアップに活用できる教材も充実。

ワークショップ用教材やカードもダウンロード可能です。
👉 https://www.viscuit.com

💡 使い方のヒント

  • 教材は家庭用・授業用どちらでも利用可

  • 学年や習熟度に応じて「順序→条件→繰り返し」の順で使い分ける

  • ダウンロード後はラミネート加工やカード化すると繰り返し使えて便利

無料教材を活用することで、コストを抑えながら質の高いアンプラグド学習が可能です。

まずは子どもが興味を持ちそうな題材から1つ選んで始めてみましょう。

アンプラグドの先にある“論理的思考”の伸ばし方

アンプラグドプログラミングはあくまで「入り口」。

論理的思考力を本格的に育てるには、次のステップへの橋渡しが重要です。

🧠 論理的思考とは?

論理的思考とは、「順序立てて考える力」「筋道を立てて問題を解く力」です。

これは単なる暗記や計算ではなく、「なぜ?どうして?」を自分で考え、判断し、組み立てる力のこと。

アンプラグドでは主に以下の3つが育ちます。

思考力の要素 アンプラグドでの育成例
順序立てて考える力 ロボットを動かす「命令カード」遊びなど
条件をもとに判断する力 「もし〜なら〜する」条件分岐のゲーム
試行錯誤する力 「デバッグ遊び」で間違いを直すプロセス体験

🔁 次のステップは“コードを書く”ことではない

アンプラグドの次に必ずしもコード(文字)を書く学習に移る必要はありません。

以下のような段階的なスモールステップが効果的です。

  1. ビジュアルプログラミング(例:Viscuit/Scratch)
    →動きを目で見て理解できるため、論理の構造に集中できる

  2. 生活や他教科とつなげる思考活動
    →「買い物シミュレーション」「料理手順」など、日常の中で論理性を意識させる

  3. ストーリーで学ばせる「なぜうまくいかないか?」の考察
    →失敗→仮説→改善 というプロセスを自然と体験させる

📝 親や先生ができるサポート

  • 「どうしてそう考えたの?」と問いかけることで、思考の過程を言語化させる

  • 解き方ではなく考え方に注目する声かけをする

  • 他の子とのやりとり(比較・相談)を促すことで多角的な視点を育てる

論理的思考力は、一朝一夕に身につくものではありません。

ですが、アンプラグドを通じて「考えることって楽しい」という経験を積むことで、自然とその力は育っていきます。

次のステップを焦らず、子どもの思考のプロセスに寄り添いながら、長い目で育んでいきましょう。

よくある質問Q&A10選

Q1:アンプラグドプログラミングの実践例として家でできる活動はありますか?
A. あります。例えば「ロボットごっこ」や「命令カード」で家族と一緒に遊ぶことで、順序や条件を自然に学べます。

Q2:小学校低学年でも理解できますか?
A. はい。むしろ低学年からの導入が効果的です。道順やおつかいごっこなど、身近なテーマで学べる工夫がされています。

Q3:学校の授業ではどう取り入れられているの?
A. 多くの小学校で「総合」や「生活科」「算数」などの授業で活用されており、文部科学省の指導案例も多数存在します。

Q4:ICT環境がなくても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。アンプラグドは“コンピュータを使わない”学習法なので、紙・カード・体を使った活動が中心です。

Q5:「Viscuit」や「Scratch」などのツールとはどう違うの?
A. アンプラグドは“考え方を育てる準備運動”です。Viscuitなどはその先で“表現手段”として使われます。

Q6:家庭で使える無料教材はありますか?
A.  はい。プログラミング教育サイト「プログル」や、情報処理学会のページなどでPDF教材が公開されています。

Q7:アンプラグドの取り組みは「非認知能力」の育成にもつながる?
A. その通りです。話し合いや失敗の共有を通じて、協働力・粘り強さ・自己表現力なども育てられます。

Q8:指導者に特別な知識は必要ですか?
A. 専門知識は不要です。進行台本つきの教材や、文科省の「小学校プログラミング教育の手引」などが支援してくれます。

Q9:どのくらいの時間で取り組めますか?
A. 1回15〜30分程度の活動で十分です。導入→実施→ふりかえりまでを1コマで完結させるケースが多いです。

Q10:「情報活用能力」との関係は?
A. プログラミング的思考を通じて、「順序立てて考える」「原因と結果の関係を捉える」などの情報活用力が身につきます。

アンプラグドプログラミング実践例10選|低学年からできる非デジタル教材のまとめ

  • アンプラグドプログラミングとは「パソコン不要で論理的思考を育てる学習法」

  • 小学校の授業にも導入されており、文科省も「情報活用能力」の重要性を明示

  • 低学年でも取り組める教材が多く、楽しく学べるのが特長

  • 実際の授業では「ロボットになろう」などの実践例が豊富に活用されている

  • 家庭や自由研究にも活かせる「フローチャートゲーム」などの遊び型教材が人気

  • 教材はカード形式・ドリル・グループ活動など幅広く、市販・無料で入手可能

  • 文科省・大学・教育機関のPDF教材もあり、現場ですぐ使える指導案も充実

  • Viscuitなどのプログラミングツールへの橋渡しとしても活用できる

  • 保護者の声として「考える力」「チームでの協働力」が伸びたという評価も多い

  • アンプラグドの先には“論理的思考”だけでなく、非認知能力の育成にもつながる

 

【本記事の関連ハッシュタグ】

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