VSCodeでPythonが実行できない?今すぐ試せる対処法(Windows/Mac)
「Pythonを実行しようとしたのに、何も起きない…」
「Runボタンが表示されない」「ターミナルにエラーが出る」——
Visual Studio Code(VSCode)でPythonを動かそうとして、思いどおりに実行できなかった経験はありませんか?
本記事では、初心者に多い“VSCodeでPythonが実行できない原因”と、今すぐできる対処法をWindows・Macそれぞれに対応して解説します。
インタプリタの設定、パスの通し方、拡張機能の確認方法など、初学者がつまずきやすいポイントを詳しくひとつずつ解説していきますので一緒に解決していきましょう。
- 📌VSCodeでPythonが“実行できない”を初心者目線で解説
- 📌実行ボタンがない・パスが通らないなどの典型パターンを網羅
- 📌Windows10/Mac別の対処法をステップ式で紹介
- 📌インタプリタ設定・拡張機能・環境構築など、後に活きる知識が身につく
Contents
- 1 なぜVSCodeでPythonが“実行できない”のか?初心者がつまずく5つの原因
- 2 今すぐ試せる対処法|Windows10・Mac別のチェックリストつき
- 2.1 【Step1】Python拡張機能が有効か確認する
- 2.2 【Step2】インタプリタを正しく選択する方法(スクショ付き)
- 2.3 【Step3】実行ボタンが出ない場合の表示切替方法
- 2.4 【Step4】Pythonが正しくインストールされているか確認
- 2.5 【Step5】パスを通す|Windows10とMacのやり方を比較解説
- 2.6 それでも動かないときの最終手段(再起動/設定リセット)
- 2.7 Python実行環境の正しい構築方法(venv/Anaconda)
- 2.8 Macで「Permission denied」が出る場合の対処法
- 2.9 バージョンの競合に注意|複数インストールされているケース
- 2.10 VSCodeが動かない…そんなときの学び方と向き合い方
- 2.11 よくある質問Q&A10選
- 3 VSCodeでPythonが実行できない?今すぐ試せる対処法(Windows/Mac)のまとめ
なぜVSCodeでPythonが“実行できない”のか?初心者がつまずく5つの原因
実行ボタンが表示されない|まず見るべき設定項目
「Pythonのコードを書いたけど、“実行ボタン”が見つからない…」
これはVisual Studio Code(VSCode)で最もよくあるつまずきのひとつです。
ですが大丈夫。
VSCodeでは“自動で実行ボタンが出るわけではない”ため、最初に以下の設定確認が必要です。
✅ 実行ボタンが出ない原因の多くは「拡張機能未導入」
Pythonを実行するには、Microsoft公式の「Python拡張機能」をインストールしている必要があります。
これが入っていないと、Runボタン(▷)は表示されません。
🛠 実行ボタンを表示させるまでのチェックリスト
チェック項目 | 内容 |
---|---|
ファイルの拡張子が .py になっているか? |
example.py のようなPythonファイルであることが前提です。 |
Python拡張機能がインストールされているか? | サイドバー「拡張機能」→「Python」で確認 |
インタプリタが選択されているか? | 左下にPythonバージョンが表示されているかチェック |
コマンドパレットでRun操作ができるか? | Ctrl + Shift + P → Python: Run Python File in Terminal を選択 |
💡 補足:ツールバーのRunボタンが表示される条件
これら3つがそろえば、ファイル上部または右上に実行ボタンが出現します。
✍️ 実行ボタンが出ないときの代替手段
Runボタンが表示されていなくても、以下の手順で実行可能です:
-
ターミナルを開く(
Ctrl + @
もしくは表示 > ターミナル
) -
コマンド
python ファイル名.py
を手入力
例:
python sample.py
「ボタンが出ない」=「動かない」ではありません。
まずは拡張機能とファイル形式を見直し、必要なら手動実行で動作確認してみましょう。
「Pythonファイルが認識されない」よくある初歩ミス
VSCodeでPythonコードを書いたのに、「実行ボタンが出ない」「ターミナルが反応しない」というとき、そもそもファイルが“Pythonファイル”として認識されていないケースがあります。
これは、初学者に非常に多い単純なミスですが、VSCodeの動作に大きく影響します。
❌ 実は「.txt」や「拡張子なし」で保存されていることも…
たとえば以下のような例は要注意です。
-
ファイル名が
script
(←拡張子がない) -
sample.py.txt
(←メモ帳で保存していて.txtが勝手につく) -
sample
とだけ表示されている(←Windowsの設定で拡張子が非表示)
この場合、見た目はPythonに見えても、VSCodeは「Pythonファイル」として扱っていません。
✅ Pythonファイルとして認識させるチェックポイント
チェック項目 | 内容 |
---|---|
拡張子が .py になっているか? |
ファイル名の末尾を確認:main.py など |
エディタ右下に「Python」と表示されているか? | 表示されていなければ「言語モード」が未設定の可能性 |
拡張子が表示されない場合は? | Windowsエクスプローラーで「拡張子を表示」にチェックを入れる |
🛠 言語モードの強制指定(VSCodeでの設定)
-
右下の「Plain Text(テキスト)」などと表示されている部分をクリック
-
「Python」を選択すれば、そのファイルはPythonとして扱われます
💬 初心者にありがちな誤解
「ちゃんとコードは書いてるのに、なんで反応しないんだろう?」
→ 実際には、VSCodeがそのファイルを“Pythonコード”として認識していないだけのことも多いです。
まずは「このファイル、ちゃんと.py
なのか?」と確認するだけで、問題があっさり解決することもあります。
初歩ミスを怖がらずに、ひとつずつ丁寧にチェックしていきましょう。
インタプリタが未設定・間違っていると動かない
「コードにエラーはないのに、実行できない」
その原因の多くは、インタプリタ(Pythonの実行環境)が未設定・あるいは間違っていることです。
VSCodeでは、Pythonを実行する際に「どのインタプリタを使うか?」を指定する必要があります。
これが正しく設定されていないと、Runボタンが無反応になる/予期せぬエラーが出る/そもそも起動しないといった問題が発生します。
✅ インタプリタとは?
インタプリタとは、Pythonコードを機械が実行できるように変換する“実行エンジン”のこと。
複数のPythonバージョンがPCに入っている場合、どれを使うか選ぶ必要があります。
🔍 インタプリタが未設定/違うバージョンの例
-
インタプリタが「選択されていません」と表示されている
-
venvやAnacondaなどの仮想環境を使っているが、VSCodeは別のPythonを選んでいる
-
VSCodeの左下が「Python: 2.x.x」なのに、実行したいのは3.x.x
🛠 インタプリタの確認と設定方法(Windows/Mac共通)
-
左下のステータスバーを確認
→Python 3.10.6
などと表示されていればOK/なければ設定が必要 -
ステータスバーをクリック → インタプリタ候補が一覧表示される
-
Python 3.x
など、自分がインストールしたバージョンを選ぶ
※仮想環境がある場合は「./venv/bin/python」などが出ることも
📷 補足:コマンドパレットから選ぶ方法(Ctrl + Shift + P)
PATHが通っていない|Windows10で特に多い原因
VSCodeでPythonを実行しようとしても、ターミナルにこんなエラーが出たことはありませんか?
'python' は、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。
これは、PythonがPCに入っていても“PATH(パス)が通っていない”状態です。
特にWindows10では、インストール時にチェックを外してしまうことでこの状態がよく起きます。
✅ PATH(パス)とは?
PATHとは、コマンドを実行したときに「どこにあるか」をOSが探すための設定のことです。
-
PATHが通っている → コマンド
python
でPythonが起動する -
PATHが通っていない →
python
と打ってもOSがどこにあるか分からずエラー
❌ PATHが通っていない典型パターン
状況 | 説明 |
---|---|
インストール時に「Add Python to PATH」にチェックを入れなかった | 初心者に非常に多いミス |
PATH設定はしたが、VSCodeのターミナルが認識していない | VSCode再起動で解消することも |
python ではなく py コマンドしか通っていない |
Windowsは py が通る構成になることがある |
🛠 PATHを通す方法(Windows10)
-
Windowsのスタートメニューから「環境変数」と検索
-
「システム環境変数の編集」を開く
-
「環境変数(N)」→ 「Path」→ 「編集」
-
Pythonのインストール先(例:
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Programs\Python\Python3x
)を追加-
python.exe
のあるフォルダと、Scripts
フォルダも追加するのがベスト
-
💡 VSCode側で認識させるには?
-
PATHを通した後、VSCodeを再起動しないと認識されないことがあります。
-
インタプリタの再設定も必要になる場合があります。
🔍 補足:Pythonコマンド確認方法
ターミナルで以下を入力し、エラーが出なければPATHは通っています。
python --version
または
where python
PATHが通っていないと、いくらPythonを正しく書いても「そもそも動かない」状態です。
VSCodeが悪いのではなく、Windowsの設定が原因であるケースも多いので、まずは確認してみましょう。
拡張機能(Python)が入っていない・無効化されている
VSCodeは非常に軽量なエディタですが、標準状態ではPythonコードを実行できません。
Pythonを使うには、Microsoft公式の「Python拡張機能」をインストールする必要があります。
これが入っていない、あるいは無効になっていると、
-
実行ボタンが出ない
-
インタプリタが選べない
-
コード補完(予測変換)が効かない
といった問題が発生します。
✅ Python拡張機能とは?
Microsoftが提供している公式拡張パッケージで、以下の機能をVSCodeに追加してくれます。
機能 | 説明 |
---|---|
Pythonコードの実行 | 実行ボタンやターミナル連携など |
シンタックスハイライト | Python構文の色分け |
コード補完/エラーチェック | Lint機能やIntelliSense |
仮想環境(venv, conda)との統合 | 仮想環境の自動検出とインタプリタ連携 |
🛠 拡張機能の導入手順(Windows/Mac共通)
-
サイドバー左下の「拡張機能マーク(四角が4つ)」をクリック
-
検索欄に「Python」と入力
-
「Python(by Microsoft)」をインストール
-
VSCodeを再起動
🔍 無効化されていないか確認する方法
-
拡張機能が「無効」になっているとグレーアウト表示になります
-
「有効にする」ボタンが出ている場合はクリックして有効化しましょう
💡 補足:拡張機能を入れても動かないとき
状況 | 対処法 |
---|---|
インストール済なのに反応しない | VSCodeを完全に再起動 |
エラーが多発する | 拡張機能のバージョンを確認/再インストール |
別ユーザーアカウントで作業している | 拡張機能がアカウントごとに異なることがある |
「拡張機能」は、VSCodeにおけるPython実行の“土台”とも言える存在です。
まずはここがしっかり整っているかどうか、チェックしてみてください。
Macユーザーに多いパーミッション/環境変数の落とし穴
Windowsでは見かけないのに、MacでPythonがうまく実行できないというケースは少なくありません。
その多くは、パーミッション(権限)や環境変数の設定に原因があります。
✅ Macでありがちなエラーパターン
エラー例 | 原因 |
---|---|
Permission denied |
実行ファイルに実行権限がない |
command not found: python |
PATHが正しく通っていない or Python未インストール |
zsh: no such file or directory |
仮想環境や指定パスが無効になっている |
🔍 よくある「落とし穴」
落とし穴1:実行権限がついていない
Macでは .py
ファイルでも、ターミナルから実行するには **実行権限(chmod)**が必要な場合があります。
chmod +x filename.py
このコマンドで、ファイルに実行権限を付与できます。
落とし穴2:PATHが正しく通っていない
Macでは、ターミナルの種類(zsh
/bash
)に応じてPATHの通し方が異なります。
例:zshの場合は ~/.zshrc
に追記
export PATH="/usr/local/bin:$PATH"
設定後はターミナルを再起動、もしくは source ~/.zshrc
を実行してください。
落とし穴3:仮想環境が読み込まれていない
venvなどの仮想環境を作成したのに、VSCodeやターミナルがうまく読み込んでくれないケースも。
source venv/bin/activate
このように手動で仮想環境を有効にすることで、Pythonの実行環境が整います。
💡 対処法まとめ(Mac向け)
-
ターミナルで
which python
やpython3 --version
を確認する -
.zshrc
もしくは.bash_profile
に適切なパスを記述 -
ファイルに実行権限を付与(
chmod +x
) -
仮想環境は手動でアクティベートしてから実行
MacはUNIXベースな分、初心者には難しく感じる部分もありますが、対処法はすべてシンプルです。
1つずつ丁寧に見直すことで、実行エラーも確実に解決できます。
今すぐ試せる対処法|Windows10・Mac別のチェックリストつき
【Step1】Python拡張機能が有効か確認する
「まず何から試せばいい?」
そんなときに最初に見るべきは、VSCodeのPython拡張機能が入っていて、かつ有効になっているかどうかです。
これはPythonを動かすための必須パーツであり、入っていなければ実行ボタンも出ません。
✅ チェック方法(Windows/Mac共通)
-
VSCode左側の「拡張機能マーク(四角のアイコン)」をクリック
-
検索欄に「python」と入力
-
「Python(by Microsoft)」がインストール済か確認する
└ 未インストールなら【インストール】をクリック
└ インストール済であっても【有効にする】ボタンが表示されていれば有効化が必要
🔍 有効/無効の見分け方
状態 | 表示例 |
---|---|
有効 | 「無効にする」「アンインストール」が表示される |
無効 | 「有効にする」ボタンが表示されている |
💡 補足:複数ユーザー/プロジェクトごとの違い
-
プロジェクト単位で拡張機能が無効になっていることもあります
-
新しいフォルダを開いたら、拡張機能が無効化されていたというケースも
📝 再インストールでも解決することがある
拡張機能が入っていても、動作が不安定・反応しないことがあります。
その場合は以下を試してみてください。
拡張機能のアンインストール → 再インストール → VSCodeの再起動
これだけで改善することも珍しくありません。
拡張機能は“インストールするだけで完璧に動く”とは限りません。
動かないときは「本当に有効になっているか?」を目視でチェックするのが第一歩です。
VSCodeでは、簡単な自作プログラムをその場で試すことができます。たとえばPython初心者でも簡単に作れる!面白いプログラム実例7選【コピペOKコード付】では、初心者でも作れるおもしろプログラムを紹介しているので、動作確認がてら実行の参考にしてください。
【Step2】インタプリタを正しく選択する方法(スクショ付き)
Pythonが実行できない最大の原因のひとつが、VSCodeでインタプリタが正しく選ばれていないことです。
インタプリタとは、Pythonコードを実行する“エンジン”のようなもの。
あなたのパソコンに複数のPythonが入っているとき、VSCodeは自動で最適なインタプリタを選んでくれないことがあります。
✅ インタプリタが正しく選ばれていないとどうなる?
症状 | 可能性 |
---|---|
実行ボタンが出ない | インタプリタが未設定か不明な状態 |
ターミナルでエラーが出る | バージョンが違う/存在しない環境を選択している |
仮想環境が認識されない | プロジェクト用のvenvが未選択 |
🛠 インタプリタの選び方(手順)
-
左下のステータスバーを確認
→Python 3.x.x
やbase (conda)
といった表示があればインタプリタが選ばれています -
ステータスバーのインタプリタ表示部分をクリック
またはCtrl + Shift + P
でコマンドパレットを開く →Python: Select Interpreter
を選択 -
一覧から正しいPython実行環境を選びます
└ 例:Python 3.11.5 (venv)
やbase: conda
など
└ 不明なものは避けて、自分でインストールした環境を選択
※ ○が現在の選択状態
※ Enter interpreter path...
で手動指定も可能です
💡 よくあるつまずき
つまずき | 解決策 |
---|---|
古いバージョン(Python2系)を選んでしまう | 最新の3.x系を選び直す |
仮想環境を作ったのに表示されない | VSCodeを再起動する/フォルダの開き直しで反映されることも |
conda環境で実行したいのにbaseが出ない | conda init を確認し、ターミナルを再起動 |
Pythonが動くかどうかは、どのインタプリタを使っているかで大きく変わります。
必ず「これだ」と分かるインタプリタを選んで、確実な実行環境を整えていきましょう。
【Step3】実行ボタンが出ない場合の表示切替方法
Pythonファイルを書いても、右上の「▶ 実行」ボタンが表示されないというトラブルは初心者によくあります。
これは設定やレイアウトの問題であることが多く、ファイルやウィンドウの状態を少し変えるだけで解決できます。
✅ 実行ボタンが出ない3つの原因
原因 | 対処法 |
---|---|
ファイルが .py になっていない |
.py 拡張子に変更する(H3-2参照) |
インタプリタが未選択 | 選び直す(H3-8参照) |
エディタ表示が「ノートブックモード」や「拡張エリア外」になっている | 通常エディタ画面で表示させる/レイアウトを戻す |
🛠 表示を切り替える方法(ボタンを表示させる)
方法①:ファイルを「再度開き直す」
-
上部のタブを右クリック → 「エディターで開く」を選ぶ
→*.py
ファイルが「Pythonファイル」として正しく表示され直すことがあります。
方法②:ターミナルのレイアウトをリセット
-
Ctrl + `(バッククォート)でターミナルを表示/非表示
-
画面下部のターミナルが正しく表示されていないと、実行ボタンも消えることがあります
方法③:右上の歯車マークからレイアウト設定を確認
-
拡張機能や設定変更後に、表示モードが変わっている場合があります
-
「Jupyterモード」や「ノートブック表示」になっていないか確認
💡 補足:コマンドパレットからも実行可能
実行ボタンが出ない場合でも、以下の方法で実行は可能です。
Ctrl + Shift + P → Python: Run Python File in Terminal
この方法なら、ボタンが見えなくてもターミナルでPythonが動きます。
「ボタンが出ない=VSCodeのバグ」と思わずに、表示設定やエディタの状態をまず疑ってみるのが正解です。
見た目に惑わされず、裏で正しく動いているかを確認しましょう。
【Step4】Pythonが正しくインストールされているか確認
VSCodeでいくら頑張ってもPythonが動かない…
その原因が「そもそもPythonが入っていない」ことだった、というケースは意外に多くあります。
特に以下のような人は要注意です。
-
PCを買ったばかりでまだ環境構築していない
-
JavaScriptやHTML/CSSからPythonを始めた
-
Windowsユーザーで、ストア版を入れているだけ
✅ Pythonインストール確認方法
【Windowsの場合】
-
Windowsキー
→ 「cmd」と入力 → コマンドプロンプトを開く -
以下を入力:
python --version
-
以下のようにバージョンが表示されればOK
Python 3.11.5
何も表示されない/エラーが出る場合は未インストールまたはPATHが通っていません。
【Macの場合】
-
Spotlight検索(⌘+Space)で「ターミナル」を開く
-
以下を入力:
python3 --version
-
バージョン表示されればOK(Macでは
python3
が標準)
💡 よくある見落としポイント
状況 | 対応策 |
---|---|
python ではなく python3 が必要 | Macの場合が多い。python3 を使う |
ストア版Python(Microsoft Store)を使っている | エラーが出やすいため、公式サイトからダウンロード推奨 |
PATHが通っていないだけ | H3-4を参照して設定確認 |
🛠 Pythonをインストールするには
▶ Windows・Mac共通手順
-
公式サイト(https://www.python.org/downloads/)にアクセス
-
最新バージョンをダウンロード
-
Windowsの場合は、「Add Python to PATH」にチェックを入れるのを忘れずに!
🔍 補足:仮想環境(venv)を使っているとき
仮想環境が正しく構築されていないと、「Pythonが入っていないように見える」こともあります。
以下で確認してみましょう。
source venv/bin/activate # Mac・Linux
venv\Scripts\activate # Windows
仮想環境が立ち上がると、プロンプトに (venv)
のような表示が追加されます。
Pythonのインストール状態は、VSCodeではなく「PC全体の設定」に関わる部分です。
最終チェックとして、Pythonが本当に入っているか・動くかを確認しておきましょう。
【Step5】パスを通す|Windows10とMacのやり方を比較解説
「Pythonは入っているのに、python
や python3
を打っても反応しない…」
その原因の多くは、パス(PATH)が通っていないことにあります。
✅ 「パスを通す」とは?
パスとは、コマンド(pythonなど)を実行したときに、パソコンがその実行ファイルを探す場所のことです。
-
パスが通っている:どこからでも実行できる
-
パスが通っていない:そのフォルダに移動しないと実行できない/エラーになる
🟦 Windows10の場合
🔍 パスが通っていないとどうなる?
'python' は、内部コマンドまたは外部コマンド...として認識されていません。
このエラーが出たら、Pythonのインストール先がシステムに認識されていない状態です。
🛠 パスを通す手順(Windows)
-
エクスプローラーで Python のインストールフォルダを確認
例:C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Programs\Python\Python311
-
上記のパスをコピー
-
「スタート」→「環境変数」と検索 → 「システム環境変数を編集」
-
「環境変数」→「Path」を選択 → 「編集」→「新規」→ コピーしたパスを追加
-
OKで閉じ、PCを再起動(またはVSCodeを再起動)
🟩 Macの場合(zshの場合)
🔍 パスが通っていないとどうなる?
zsh: command not found: python
または python3
も動かないことがあります。
🛠 パスを通す手順(Mac)
-
ターミナルを開く
-
使用シェルを確認(zshかbash)
-
zsh
の場合は以下を~/.zshrc
に追記:
export PATH="/usr/local/bin:$PATH"
✅ OS別比較表
内容 | Windows10 | Mac(zsh) |
---|---|---|
エラー表示 | 'python' は認識されません | command not found |
PATH設定場所 | 環境変数(GUI) | .zshrc/.bash_profile(テキスト) |
設定反映方法 | 再起動 | source コマンド or 再起動 |
💡 補足:VSCodeでの確認方法
VSCode内ターミナルで python --version
や python3 --version
を打って、正しくバージョンが返ってくるかどうかで確認できます。
「パスを通す」作業は、初心者が最もつまずきやすい部分のひとつです。
ですが、一度設定してしまえば後はずっと快適に使えるので、ここでしっかり対応しておきましょう。
それでも動かないときの最終手段(再起動/設定リセット)
ここまでの手順をすべて確認しても、「実行できない」「ボタンが出ない」「ターミナルが動かない」といった症状が続く場合は、VSCodeやPCの再起動・設定リセットを検討してみましょう。
✅ 最終手段としてまず試すべき2つのこと
手順 | 内容 |
---|---|
1. VSCodeの再起動 | 拡張機能・インタプリタ・パス設定などが反映されていない場合があるため、いったん完全に閉じて再起動 |
2. PC自体の再起動 | システム側のPATHや環境変数の変更が再起動で反映されることがある |
🛠 それでもダメな場合の“設定リセット”手順
方法①:VSCodeの設定フォルダを削除して初期化
-
VSCodeを閉じる
-
以下の設定フォルダを削除(もしくはリネームしてバックアップ)
-
Windows:
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Code
-
Mac:
~/Library/Application Support/Code
-
再度VSCodeを起動 → 初期状態で起動されるので、必要な拡張機能を再インストール
※この方法は「設定」「拡張機能」「カスタムキーバインド」などがリセットされます。
方法②:VSCode内の「設定同期」をオフにして再ログイン
設定がクラウドに同期されていて、不具合を引きずるケースがあります。
-
左下のアカウントアイコン → 「設定同期を無効化」
-
VSCodeを再起動
-
再度ログインし直して設定を初期状態に戻す
🔍 本当にどうしようもないときは…
-
「設定リセット」+「拡張機能の再インストール」で初期化
-
別のエディタ(例:PyCharmやThonny)で実行可能かを確認
-
他のPCや仮想環境で同じプロジェクトを開いてみる
💡 リセット前にやるべきこと
-
.py
ファイルのバックアップ(消えることはないが念のため) -
拡張機能の一覧をメモ(再インストールしやすくなる)
ここまでやれば、環境そのものをほぼ“工場出荷状態”に戻す形になります。
慣れないうちは不安に感じるかもしれませんが、トラブルから抜け出す最も確実な方法です。
Python実行環境の正しい構築方法(venv/Anaconda)
Pythonでは「仮想環境(virtual environment)」を使って作業するのが基本です。
仮想環境がないと、複数のプロジェクト間でライブラリが競合したり、実行時に不具合が出ることがあります。
✅ 仮想環境とは?
仮想環境とは、Python本体とそのライブラリ群をプロジェクトごとに切り離して使う仕組みです。
-
venv:Python標準の仮想環境(軽量・最小構成)
-
Anaconda:データ分析向けの大規模な仮想環境(科学系ライブラリ入り)
🟦 venvの作り方(Windows/Mac共通)
▶ 手順
-
ターミナル(またはVSCodeのターミナル)を開く
-
以下を実行:
python -m venv venv
-
仮想環境をアクティベート:
-
Windows:
venv\Scripts\activate
-
Mac:
source venv/bin/activate
-
(venv)
の表示が出ればOK。ここからPythonコマンドを打つと仮想環境内で動作します。
🟩 Anaconda環境の作り方
▶ Anacondaとは?
-
科学計算/機械学習/データ分析でよく使われる
-
インストール時に大量のライブラリ(NumPy, pandas, Jupyterなど)が付属
▶ conda仮想環境の作成手順
-
Anaconda Promptを開く
-
以下を実行:
▶ VSCodeとの連携
インタプリタ選択画面で myenv
など仮想環境名が表示されるので、選べばすぐ実行できます。
✅ venvとAnacondaの違い
項目 | venv | Anaconda |
---|---|---|
標準搭載 | Python3.3以降 | 別途インストールが必要 |
軽さ | 非常に軽い | 重め(数GB) |
目的 | 一般的なアプリ開発 | データ分析・AI・Jupyter活用 |
推奨対象 | 初学者〜全般 | データサイエンス志望者向け |
💡 どちらを使えばいい?
-
初学者やWeb開発を学びたい:venvで十分
-
Jupyter Notebookを使う/AI・機械学習も視野:Anacondaが便利
仮想環境を使いこなせると、Pythonの実行エラーや環境汚染を防げます。
VSCodeでも仮想環境を使うのが前提になっているため、最初の段階で構築しておくことが成功への近道です。
Macで「Permission denied」が出る場合の対処法
MacでPythonファイルを実行しようとしたとき、次のようなエラーが表示されることがあります。
zsh: permission denied: ./main.py
これはファイルやフォルダに実行権限がない場合に表示される、Mac特有のエラーです。
✅ よくある原因
|
|
---|---|
.py ファイルに実行権限がない |
ターミナルから直接実行しようとすると拒否される |
フォルダ自体にアクセス権がない | 書き込みや読み込みが制限されている |
実行方法が間違っている | ./file.py としたが python file.py で実行すべきだった |
ファイルが他ユーザー所有 | 管理者権限で作成されたファイルを通常ユーザーで開いたとき |
🛠 代表的な対処法(ターミナルから操作)
① 実行権限を付与する
chmod +x main.py
このコマンドで main.py
に実行権限を与えられます。
chmod
は「change mode」の略。+x
は「実行可能にする」という意味です。
② 正しい方法でPythonを実行する
Pythonファイルは、実行権限を付けて直接実行するよりも、以下のように python3
コマンドで実行するのが一般的です。
python3 main.py
③ フォルダごとパーミッションを見直す
ターミナルで以下のように変更
chmod -R u+rw project-folder
-
-R
は再帰的にサブフォルダも対象 -
u+rw
は「自分に読み書き権限を与える」
④ 所有者を変更する(必要な場合のみ)
sudo chown ユーザー名 ファイル名
例:
sudo chown yourname main.py
※
sudo
を使う操作は慎重に。初心者は基本的に避けたほうが無難です。
💡 VSCode上での注意点
-
.py
ファイルを Finder からドラッグして開いた場合、フォルダ全体の権限が不足していることがある -
右クリック → 「情報を見る」→「アクセス権」からも確認・変更可能
🚨 権限変更で注意すべきこと
-
実行権限を安易に
777
にするのは非推奨(セキュリティリスク) -
不明な権限操作は、環境破損やVSCodeの誤動作の原因にもなるため要注意
Macでの「Permission denied」は、実行ファイルの作成や保存場所、操作方法に起因することが多いです。
焦らず原因を切り分け、適切に対応すればほとんどのケースは解決できます。
バージョンの競合に注意|複数インストールされているケース
Pythonが実行できない原因のひとつに、複数のPythonバージョンがPCにインストールされており、どれを使うかVSCodeが迷っているというケースがあります。
✅ よくある“競合状態”の例
状況 | 例 |
---|---|
OSに標準で入っているPythonがある(Mac) | /usr/bin/python3 など古いバージョン |
Microsoft Store版と公式版が両方ある(Windows) | C:\Microsoft\Python と C:\Users\... |
Anacondaとvenvが両方存在する | VSCodeがインタプリタを自動判別できず実行不可に |
PATHに複数のPythonフォルダが登録されている | 優先順位が不明でコマンド実行が失敗する |
🔍 自分の環境に何種類のPythonがあるか調べる
【Windows】
where python
複数パスが表示されたら競合している可能性があります。
【Mac】
which -a python3
表示されたパスを確認し、どれが使われているか見極めましょう。
🛠 対処法:使いたいPythonを明示的に選ぶ
▶ VSCode上で指定する
-
Ctrl + Shift + P
でコマンドパレットを開く -
Python: Select Interpreter
を選択 -
自分が使いたい環境(venv/Anacondaなど)を明示的に選択
Python 2系と3系が両方ある場合、間違って2.7を選んでいることもあります。
▶ PATHを調整する(中級者向け)
-
環境変数
Path
に登録されているPythonパスの順番を変更 -
使わないバージョンをアンインストールして一本化する
💡 初心者がよくやりがちな失敗
ミス | 結果 |
---|---|
Anacondaを入れたあとvenvを使う | インタプリタが混乱し、どちらも動かない |
複数の仮想環境が同一フォルダにある | 実行ファイルが競合する |
バージョン3.11と3.12を両方インストール | VSCodeがどちらを使うべきか判別不能になることも |
🧭 解決のポイント
-
まず現在使われているPythonの場所を確認
-
VSCodeのインタプリタ選択画面で、不要なものを避けて明示的に選ぶ
-
中級者以上ならPATHの調整や環境の整理も検討を
Pythonの実行エラーが「バージョン競合」によるものだったというケースは非常に多くあります。
環境をすっきりさせるだけで驚くほどトラブルが減るので、ぜひ一度見直してみてください。
VSCodeが動かない…そんなときの学び方と向き合い方
「何度やっても動かない」
「自分だけができない気がする」
プログラミング初学者が最初にぶつかる壁の多くは、“技術”というよりも“気持ち”の問題です。
✅ エラー=あなたのせいじゃない
PythonやVSCodeがうまく動かない理由は、多くが以下のような環境依存です。
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OSのバージョン
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権限の設定(MacでのPermission deniedなど)
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拡張機能の相性
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過去の設定や他ソフトとの競合
つまり、「やり方が悪い」のではなく、最初からうまくいかない設計のものに出会ってしまっただけなのです。
💬 実際の初心者の声
「写経しても動かず、何が悪いのかわからなくて挫折しかけた」
「同じ環境のはずなのに、なぜか自分のだけ動かない…と思ってたらスペースが入ってた」
「実行できない自分を責めていたけど、エラー内容を読んでみたら解決できた」
失敗の数だけ、次に進めるヒントが隠れています。
🧭 エラーに出会ったときの3つの心構え
視点 | 内容 |
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1. 調べ方が上達している証拠 | エラーをGoogle検索して調べる力がついている |
2. 自分で解決できたら成功体験 | “ググって解決”は一歩一歩の成長 |
3. 解決できなくても正常 | 初学者がつまずくのは当然、学びは続いている |
💡 “エラー解決力”はスキルの一部
実際の現場でも、プログラマーは日々エラーやバグに直面し、公式ドキュメントやStack Overflowを使って調べながら開発しています。
だからこそ、あなたの「動かない」を乗り越える過程は、まさに“プロと同じ学び方”と言えます。
✅ 続けるためのコツ
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SNSやQiitaで「同じ悩み」の人を探す
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ChatGPTに具体的なエラー内容で聞く
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うまくいったときは「なぜ成功したか」もメモする
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VSCodeやPythonが苦手なら別のツールに一時避難してもOK(例:Thonnyなど)
「できない」ではなく、「まだうまくいかないだけ」
そう思えるだけで、もう一歩先に進む力になります。
「なぜPythonを学んでいるのか」「何ができるようになるのか」が見えると、つまずいたときの気持ちも楽になります。Python初心者が作れるもの7選を知っておくと、学びの目的が明確になり、モチベーション維持にもつながりますよ。
よくある質問Q&A10選
Q1:そもそもVSCodeって初心者でも使いやすいんですか?
A. はい。最初は少し機能が多く感じるかもしれませんが、Python拡張を入れれば自動補完やエラー表示もあり、初心者にやさしい設計です。
Q2:Pythonをインストールしたのに実行できません。なぜですか?
A. Pythonをインストールしただけでは、VSCodeに正しく認識されないことがあります。「インタプリタの選択」や「パスの設定」を確認してみましょう。
Q3:Macで「Permission denied」と出たらどうすれば?
A. 実行権限がないか、誤った方法でファイルを実行しようとしています。chmod +x ファイル名.py
や python3 ファイル名.py
を試してください。
Q4:「実行ボタン」が出てきません。どうすれば?
A. Python拡張機能が入っていないか、インタプリタが正しく選択されていない可能性があります。「拡張機能」と「右下のPython選択」を確認してみてください。
Q5:ターミナルでPythonを実行しても文字化けします。対処法は?
A. 文字コードの設定に原因があるかもしれません。VSCodeのターミナル設定で UTF-8
を選びましょう。日本語の出力では特に注意が必要です。
Q6:Pythonのバージョンが複数あって混乱します。どう整理したら?
A. where python
(Windows)や which -a python3
(Mac)で確認し、不要なバージョンはアンインストールするか、インタプリタを手動で選びましょう。
Q7:仮想環境(venv/Anaconda)って初心者でも使うべき?
A. はい。複数のプロジェクトでPythonを使うなら、仮想環境は必須です。venvなら軽量でシンプル、Anacondaなら初心者にもやさしいGUIツールもあります。
Q8:実行しようとすると「python は内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていません」と出ます
A. これはPythonのパスが通っていない状態です。環境変数Pathにインストール先(例:C:\Users\...\Python311\Scripts\
)が登録されているか確認しましょう。
Q9:VSCodeのインタプリタ選択画面に何も表示されません
A. Pythonが正しくインストールされていないか、VSCodeがPATH情報を読み込めていない可能性があります。一度PCを再起動し、「Python: Select Interpreter」を再度試してみてください。
Q10:ファイルを実行しても何も起こらず、出力が表示されません
A. 実行しているファイルが空であるか、print文など出力処理が含まれていない可能性があります。また、出力がターミナルに表示されているのに気づいていない場合もあるため、スクロールして確認しましょう。
VSCodeでPythonが実行できない?今すぐ試せる対処法(Windows/Mac)のまとめ
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VSCodeでPythonが実行できない主な原因は「拡張機能」「インタプリタ」「パス設定」の3点に集約される
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実行ボタンが表示されない場合、Python拡張機能が未インストールの可能性が高い
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インタプリタは「Python: Select Interpreter」から明示的に選択することが重要
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Python本体のインストールが完了していても、パスが通っていなければ実行できない
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Macで「Permission denied」が出る場合は、権限や実行コマンドの見直しが必要
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複数のPythonバージョンが存在すると、実行環境が競合して動かないケースがある
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仮想環境(venv/Anaconda)を正しく構築すれば、環境トラブルの多くを回避できる
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WindowsとMacで設定手順やエラー内容が異なるため、それぞれに合った対応が必要
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再起動や設定リセットが“最終手段”として有効なケースもある
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エラー文をよく読み、焦らず一つずつ設定を見直すことが、正しい解決への近道になる
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